『谷繁』は、劇団員稽古のために描き下ろした短いテキストから始まりました。人ではない緑色の存在(「谷繁」)と日本人が遭遇する荒唐無稽なおはなしの初演は 2011 年 12 月。
以来、劇団外でも上演されラジオドラマ化に至り、気がつけば劇団で 2 度の再演を行うほどの人気演目となりました。『谷繁2』も、そんな「谷繁」たちと日本人が遭遇するおはなしです。
今回の舞台で扱うテーマは「相続」。生きとし生けるものはいずれ死を迎えますが、しかし次世代に財産を「相続」するのは人間だけです。超高齢者社会となった日本において、相続問題は決して他人事ではありません。
「相続」の向こう側には、お金に執着する人間の愚かさや、世代を超えた親子の情愛が透けて見えます。
一人で逝ってしまった父。息子は「相続」を巡る妻との小さな諍いの最中に父のことを考えるのでした。そこに『谷繁』が関わることで、物語は不条理な方向へ一気に突き進みます。
タテヨコ企画がお送りする『谷繁2』は、私たち日本人の大切な「相続」物語です。 |