これは、誰に対しての相続なの? |
厳格な父の影響力は姉妹にとっては絶対だった。
恋をしても、父の敷いたレールに見合わない相手とはことごとく破談にさせられた。結局、結婚まで至らず姉妹は今も自宅で過ごしている。
その父が突然亡くなった。姉妹は悲しむよりも先にホッとする感覚があった。
父が亡くなって数日たったある日のこと。訪問者が訪れる。そして驚きの事実が告げられる。
「私、亡くなった父の娘です」と。さらに亡くなった父には幾ばくかの遺産が残っていた。
姉妹の中で何十年かと積み重ねられてきた厳格な父のイメージが、凄まじい音を立て揺らぎはじめる。
隠し子?自称父の娘は、遺産相続の話をし始めた。
《家族》という現代での最小コミュニティーでは一体何が起こっているのか。
血縁という宿命がもたらす《疲弊》に、私たちはどのように向き合っていくのかを、昨今の社会問題の1つとなっている相続制度を基軸にし、「繋がりとは何か」をユーモラスに問う作品。 |
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<リクウズルームとは>
劇作家・演出家の佐々木透によるソロユニット。2007年より活動開始。
戯曲からストーリー/言葉の意味/役 を排除し、ばらばらになった劇言語を役者でパッチワークする、実験的創作を重ねてきた。
近年は通常戯曲にはなりえない素材…記号、数式、ネットスラングなど…を取り入れる試みや、現代音楽のピアニストやダンサー等、ジャンルと国境を越えた共同制作により、さらなる戯曲の可能性を探っている。
2013年 日本劇団協議会「日本の劇」戯曲賞にて『家族の休日』最優秀賞、受賞
2012年 『下生しさらせ右に左に弥勒で上に』AAF戯曲賞最終候補作ノミネート |
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<タテヨコ企画とは>
1999 年に横田修と舘智子の 2 人で結成。
2人の名前から【タテヨコ企画】と命名。
「いつでも。どこでも。なにとでも。」をモットーに、 劇場に拘らず、ギャラリーや幼稚園を舞台に見立てて公演を行う。
第14回BeSeTo演劇祭や劇団内ユニット・タテヨコ企画WESTによる東京・大阪公演など様々なステージで活動を展開する。
森羅万象あらゆるものと関係を築いて、俳優それぞれが自分の身体と感覚を総動員し、舞台上で形作るリアルな関係性が観客の想像力を最大限に刺激するのである。 |
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タテ(Y)とヨコ(X)に+リクウズルーム(Z)が加わった! 新たなる時空間にご期待ください! |