特別インタビュー第四弾は、作・演出の横田修氏への2回目のインタビュー。
 稽古も進み、本番への道筋が見えはじめた時期に、『夜まで待てない』へ向けた思いを語ってもらいました。 どうぞご覧ください。


--  横田さんへの2回目のインタビューとなります。今回もよろしくお願いします。

横田 よろしくお願いします。

-- 前回のインタビューからしばらく時間が経過しましたが、稽古の進行具合などはいかがでしょうか?

横田 今回は本読みに力を入れました。まず最初に頭の中のイメージ作りをじっくりとやって、それから立ち稽古に入っていったという感じです。というのは、空間性を取り込む作業と、芝居を作っていくなかで役者が色々とイメージを思い描いて、それを演技のなかに持ち込む作業というのは、それぞれ別々におこなわれていくことだからです。特に、今回は劇場ではない普段の息づかいが染みついたような場所で芝居をするわけなので。現段階では、いい方向に向かっていると思います。

-- 今までとは作り方が違ってきているということでしょうか?

横田 求めているものはそんなに変わらないけど、もっと先に行きたいという感じかな・・・

-- ギャラリー公演を始めた頃と今との違いは、どのようなものがあるのでしょうか?

横田 作品について言うのであれば、昔よりもだんだん無茶になってきましたね。

-- というと、

   始めた頃はかなり空間に頼っていたんです。空間から物語も出てくる。場所に寄り添う度合いが高かったんですね。それが10年間続けてきたことで俳優も鍛えられてきて、空間性を超えたところで勝負できるようになってきた。俳優は、イメージの部分を僕と共有して、身体的な部分をギャラリーと共有しているわけです。僕の割と無茶なイメージを身体的に受け止めて、それをギャラリーに乗せることもできる。そのところが昔とは全然違うと思います。
  だから、外で喧嘩したりだとか、ギャラリーらしさを出すための様々な要素はあるのですが、戯曲を書く時のベースの部分では、劇場で公演するのと変わらなくなってきていますね。これが良い事なのか悪いことなのかは分からないんですけど。
 始めたころはギャラリ?でやることで「それ不自然じゃないか?」ということを空間から学ぶことが多かったです。今回初めてギャラリー公演を体験する俳優もそういうことが多いと思うんですけど、何度か経験している俳優からするとそれらはもうある程度わかっていることなので、あとは「そこに何を加えたら面白いかな?」ということを楽しむんだと思いますね。だから、10周年でギャラリー公演をやってみたかったんです。どのぐらい昔と違っているかを確かめたくて。
 
--  今回の見所と意気込みをお聞きしたいと思います。『月の平均台』、宇宙の正体シリーズの『アメフラシザンザカ』と公演を重ねてきて、久しぶりというか戻って来た感のあるギャラリー公演ですが。

横田 物語を含めた作品全体の密度みたいなものが昔よりは濃くなってきていると思うので、あまり台詞に頼らないようにしているんです。なので、一番の見所はギャラリーという場所で、ある設定の中で出ていったり入ってきたりと“動き回る俳優達”だと思いますね。
   それと、初めての場所なので小屋入りしてみないと分からないことがいくつかあります。でも、そこから色んな刺激を受けてお芝居がガラっと変わることがきっとあるので、それが楽しみですね。

-- 最後に観劇しにいらっしゃるお客様へ向けて一言いただけますでしょうか?

横田 『夜まで待てない』というのも、あまり普段ぽくないタイトルだと思いませんか?銀座というイメージからシンプルにつけました。銀ブラだったり、ちょっと恋の街というイメージがあったりして。今までのタテヨコ企画とは結構ズレているところがあると思うんですね。今回は、今までのイメージとの交差点のようなところが生み出せるんじゃないかと思ってます。これが成功するとタテヨコ企画はもっといろんな設定のお芝居ができるようになる。そういう意味では挑戦だし、うまくいけば新しいタテヨコが出せるんじゃないかなと。その辺は期待していただきたいし、そういう出来になってると思います。世界一のギャラリー芝居をお見せしますよ!

-- 10周年にふさわしく新境地が開かれる公演にしていきたいですね。本日もありがとうございました。

 

 

 


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